トライアングルの音とは?

今日はトライアングルです△

とあるオペラのお仕事だったのですが、その現場には、でオーケストラ奏者としてお仕事をされている方が講師で来ており、その人のトライアングルが本当に素晴らしかった!のでお話することにしました。

ヨーロッパでは、トライアングルの音色はばち(ビーター)が楽器に触れる際の「カチ」という音をなくすように叩くのが主流で、僕は自分の演奏を聴いてもらうたび、ひたすら「カチってきこえてる!」「カチをもう少し少なく!」といわれました。
擬音にすると「キラーン」ではなく、どちらかというと「ジーン」という感じでしょうか。
その方がオーケストラの音によりマッチしやすいから、という理由だそうです。

もちろん、その「ジーン」の音色だけ出していれば、全ての曲に合う!どんな曲でも合う!ということではないです。
あくまで、音色の基本的な考え方、とらえ方、たくさんある音色の一つの例として捉えて欲しいです!


そして、ホール練習が始まると、その先生は客席でじっくり聴いて、リハーサルが終わるたびアドバイスをしてくれました。
先生の音楽に対する姿勢に感激。

打楽器はホールに行くと、よく客席にいって音を聞いてもらったりするのですが、まだ大学生だった僕の演奏を、プロ中のプロの先生がずっと聴いてくれていて、休憩の合間やリハーサルの合間にまるで同業者のプロと会話するように意見を言ったり、アドバイスをくれるんです。
これはただ勉強になるだけでなく、自分は今打楽器奏者として見られているんだな、というプレッシャーも与えられていて良い経験になりました!

もう一つ驚いたのは、手作りなバチや楽器が多いこと。
これは、幸運にも曲がオペラだったから分かったことなのですが、楽器についての感覚がすこし違っていて、必要に応じてトライアングルのばちを自分で手作りしたり、楽器をスタンドからつるすための装置を作ったり、大太鼓のばちも手作りしたり、カッコーの音が出る楽器を手作りしたり、とにかくなんでも手作りなんです。
日本では楽器は大体売ってあるものを使うし、バチもだいたい市販品で補えてしまいます。
でもヨーロッパでは売っているものがないのか、手作りするのが当たり前なのか、とにかくバチも楽器も作っちゃうんです。
(そういえば、ティンパニ のバチはもともと売っていない、という話を聞いたことがあるような、、違っていたらすみません💦)
とにかく、日本では「この楽器で、この音が出るように練習するんだ!」「同じ楽器でも上手い人が叩くと違うんだ!」「上手くなったらこの音が出せるようになるんだ!」ということだけを意識して頑張っていた僕にとって、「こういうのもあるんだー」と、力が抜けるというか、視野が広がる感覚でした。
お仕事でありながらも、まさに音楽を楽しみ、音を出すことを楽しんだ体験でした。


トライアングルの具体的な奏法や考え方ついては触れませんでしたが、音のイメージと、現場体験談でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました△
東急ハンズで鉄の棒を切って作ったビーター。
二か所留めで片手でロールする方法。

マーチ音楽教室

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