マーチのスネア
こんにちは。
講師の山口智史です。
日々もっぱら生徒さんたちとわちゃわちゃしていますが、久々にちょっと上級者向けの、吹奏楽の打楽器について書きたいと思います。
打楽器は叩けば音が鳴る、というのは、打楽器の良いところでもあり、悪いところでもあります。ウインドチャイムやサスペンドシンバルなどは、とくに技術もいらず、シャラリーン、ジュワーンと音が鳴るのは、いいところですね。
でも、あえて悪く言うとすると「どんな音かは置いておいて、とりあえず音がする」ということですね。
課題曲のマーチは、行進曲ですのでスネアが軽やかに裏打ちを刻んでほしいのですが、合奏で全体のバランスを聞いて「スネアもっと小さく」「スネアもっと軽く!」といって、どんどん音が小さく、薄っぺら~くなっていっている演奏をよく見かけます。
冒頭で言った言い方にすると、音を出しているわけではなく「音がしている」だけ、、。
弱く、小さく、というと、ある程度までは小さくできるのですが、それからさらに小ささを要求されると、もはや「聞こえないようになるように」という観点になっていってしまうんです。悲しい~泣
小さくは、あくまでニュアンスを表現しているわけであって、聞こえないようにではなく「小さい音量ではっきりしゃべる」です。
では、音を小さく叩くということをテクニック的に詳しく解説すると、「低い位置からばちが落ちて、また元の位置にもどってくる(次の音を同じ音量で叩くために)」ということになります。ある程度、スネアを練習してきた上級生なら、多くの人がこれはできる、あるいは自然にできています。
その次ですが、Pでもちゃんとばちの先に重さを感じながら叩いていますか?
ばち先はある程度重いので、ばち先を落とすだけでしっかり音が出るのですが、まさかそれより小さい音になっていませんか?
他のパートと音をブレンドさせるためには、スネア単体の音にまずしっかり芯があって、響きがある音を出せるようにならなければいけません。
練習の合間にたまにやってみると良いことは、
片手で早いリズムで叩く、ffでトレモロを30秒続けてみるとか、ちょっと体に負担がかかるくらいのハードな練習をしてみるのをおすすめします。理由は、吹奏楽で合奏を延々とやっていると、だんだん耳と頭しか使わなくなってくるからです。どの楽器の人もそうだと思いますが、周りに合わせることしか頭が回らなくなってくるんです。周りに合わせるのも重要ですが、たまに自分の音をガンガン出す時間を作って、自分のテクニックを確認しましょう!
スネアをガンガン叩くのは確かにうるさいのですが、人のいないところなどに行って、是非やってみてください。
この、薄く聞こえなくなるように演奏してしまう楽器はほかにもあって、例えばシンバルも「合わせシンバル」というくらいで合わせないと音が出ないのですが、今やっている演奏法、両手で持っているシンバルがしっかりお互いに向かってぶつかっていっていますか?
汚くならないように!と思うあまり、ホワっと一瞬触れただけ、あるいは平泳ぎの胸の前でする動きのごとくスイーっと空中を泳いでいませんか?
しっかり叩いて「パス!」っとなってしまうのは、全く構いません!そのくらい張り切ってたたくべき!それは「良いミス」です!
スネアもシンバルも、大太鼓もそうですが、音に芯があることが大事です。そのために、カスっと叩くのではなく、どんなに小さくても、しっかりした音を出しましょう。こういうのは、度胸もいりますが、そこは打楽器を担当したものとして、気合い入れていってみましょう(体育会系 笑)
今はコンクールもなくなり、非常に残念ですが、またみんなで合奏したりホールで演奏したりできる日が来ます!
その時まで、このホームページの記事をたまに読んで勉強してみてくださいね👍
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